月日は流れに流れて、気づけば、隣の家の生け垣に、柿が実っていた。




………って、
簡単に言えば、１０月になったんだけど……






この頃になると、全学年強制参加型の行事も全て終わり、残すは来月の３年生のみ自由参加型の文化祭だけになった。





そしてそれに合わせるかのように、周りの雰囲気も、間近に迫ってきた受験に対して、いよいよもって完全に臨戦態勢に入ったって感じで。



ピリピリした空気が、学年全体に漂いまくってる。





そんな雰囲気に若干ビビりつつ、あたしもそれなりの生活を送っている。








そうそう、先々週の土曜日にあった体育祭では、あたしの予想通り、耀太はリレー選手に選ばれた。





そのリレーは何リレーかというと、最も体育祭で盛り上がる大トリ種目の団対抗リレー。





赤・青・白・緑の４団に分けられたクラスから、各学年１人ずつ選抜された３名と、各団長・副団長の２名、それと各団に属してるクラスの担任から１名という総勢６名で競うこの競技。





もちろん、各学年の代表は、記録でよって選ばれ、団長・副団長はその任務に就いた時から宿命を背負ってるんだけど。





ただ、担任だけは、記録が無いから人気投票で選ばれるんだよね。





で、耀太はあたし達青団の中で、断トツ１位で選ばれたってわけ。





その日から、耀太がコッソリ近所をランニングしてたのを知ってたあたしとしては、当日は気が気じゃなくって。





昼からの競技は、ほとんど身が入らなかった。





しかも先生って、だいたいアンカーになるんだよね。




高校の体育祭で、お弁当が喉を通らないまで緊張するなんて、自分でもビックリだったよ。






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