そう、あたしはあの日、保健室で白雪姫の話を聞いて、固く心に誓ったんだ。




卒業式の日、つまり、あたしと耀太が生徒と担任ではなくなる日に。




耀太にこの想いを伝えようと。






もちろん、フラれるのがわかってる上で、ね。
そしてめでたく、ただのご近所さん、ううん、近所に住んでる元担任と元生徒という関係に収まるんだ。




そうして、新しい生活の中で、新しい出会いをあたしは求めていく。




うん、完ペキじゃない?





テスト最終日に、あたしがその決意表明を声高らかにしたのに、瑞穂はにわかには信じてなかったのか、今だに驚愕の表情を浮かべている。





「マジ?」



「マジっす!」



「本気モード?」



「うん、本気全開モード!」



「………そ、そっかぁぁ、マジだったんだ……」





穴が開きそうなほど見つめられて、なんか居心地悪いけれど、ここで信じてもらわなきゃ、一生信じてもらえない気がして、あたしもじっと瑞穂を見つめ返した。





やがて、あたしから視線は外さずに大きく頷いてみせた瑞穂は、





「わかった。
あたしが楓に言えるのはただひとつ。
2度と後悔することのないよう、しっかりその想いを伝えてこいっ!」




ガッツポーズ付で、悔しくなるくらい胸にじーんとくる応援メッセージをくれた。





「ありがと……、頑張るよ……」







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