ここはもう観念して、素直に認めるしかないのかもしれない。






逆に、幼馴染みとの恋を成就させた師匠として、先生に相談してみるのもいいかもしれない。





せわしなく瞬きを繰り返してる中、頭の中でひたすらこんなことを考えていた。




そんなあたしを優しい眼差しで見守ってくれていた先生だけど、ついにその可愛い口がわずかに開いた。






「お食事会、必ず行きましょうね?
あたしが楓さんを後押しするためにも」



「後押し?」





はて、白雪姫は今度はなにを言いたいのかしら……?





「恋の手助け、と言った方がわかりやすいかな?
あたし夢だったの、こうして生徒さんの恋愛相談にのって、一緒に喜んだり、ドキドキしたり、時にはその背中を押してあげたり。
ぜひアナタ達の恋をあたしに応援させて?
もちろん、相談にものるわ」





……て、手助け!?





それこそ目を輝かせて話す先生に、とても『遠慮します』なんて言える雰囲気じゃなくて。





「じゃ、じゃあ、軽い感じで押して下さい」





と、お願いしてしまった。






先生の言った『アナタ達』の“達”の意味なんて、全く気づかずに……









こうしてこの日、あたしの恋に、白雪姫という力強い味方がもう1人できましたとさ。
めでたし めでたし……





…………なのか?







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