なんちゅう色気のない叫び声……
とか思う暇もなく、あたしのお尻はまたもや芝生に着地した。
………と、思いきや、
あ…れ…?
なんか、違うくない???
チクチクした感触がない代わりに、ちょっとゴツゴツした感触があるお尻の下に違和感を感じて。
………んなっ!?!
恐る恐る振り向いた視線の先には、耀太の尖ったあごが見え。
………んななっ!?!
慌てて下を向いた先には、自分の腰にがっちり巻き付いてる太い腕が見えた。
つまり、あたしは今、耀太の膝に、抱えられるように乗って、る……?
「うひゃああ!」
「おい、こら、待てって…」
そう気づいた時には、カンタよろしく四つん這いで、あたしはあたふた芝生の上を這っていた。
おかげで涙なんて引っ込んだけど、今はそんなことに感謝している場合じゃない。
「な、な、なんなのよぉぉ……」
「楓が勝手に逃亡するからだろ?
ワガママとか、マジ意味不明だし」
「だからって、その手、なんのつもりよぉ……」
膝から抜け出したのはいいんだけど、今度はなぜか右足首を掴まれているあたし。
「逃げないって約束するなら、離してやるけど?」
今は見えない耀太の顔は、声色からして、絶対あの意地悪な顔をしているとわかってしまう。
「わかったから……!
もう逃げないから、離して…」
「しかたねぇな……」
頼んだ傍から無事に解放された右足首に、心からホッとした。
ん、だけど……-――
`

