この期に及んでまだ言い訳する気!?





うさぎみたいに赤くなってる目も気にせずに、あたしは耀太をギロリと睨み上げた。





でも耀太も怯むどころか、ますます眉間にシワを寄せてあたしを見下ろしてくる。





そんな中、不穏な空気をまた敏感に感じとったのか、のそりと起き上がったカンタ。



あたしの体をクンクン、耀太の体をクンクン。



最後に「ワン!(まあまあ)」と吠えて、2人の間に体を伏せた。





カンタ、アンタはなんてお利口さんなんだろうね。
でも、ごめんね?
今はこの往生際の悪い長男にお灸を据えてやらなきゃ。





「耀太が悪くないのはわかるけど、2人の気持ちもちょっとは考えるべきだよ」



「あのなぁ、2人の気持ちを外野がやいやい言ったところで、どうしようもないだろ?
結局は当人同士の問題なんだから」



「耀太はもう外野じゃないでしょう?
若宮先生を悩ませてる張本人じゃないっ!」





こンの、分からず屋!





「だから、そこが誤解してるっつってんだよっ!」



「どこが誤解なのよ!」




若宮先生を泣かせたくせにっ!






バチバチ飛び散る火花。





とうとう完全に腰を上げたカンタは、もう一度あたしと耀太を交互に見上げると、グフッ(やれやれ)と鼻を鳴らしてトコトコ近くの日陰に避難して行く。





その様子を横目で見送りながら、あたしは盛大なため息を吐き出して顔をしかめた。






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