強張ったまま耀太を見つめていると、ふいにこちらを向いた視線と絡み合ってしまった。





「その様子じゃ、やっぱりお前も覚えてなかったか……
実は俺も、本人に言われるまで気づかなかったんだ……」






えぇっ!?それってなにげにひどくない?
付き合ってた相手の顔を忘れるなんて、最悪じゃん。
それとも、いちいち覚えられないほどの女の人と……?
ま、まさか……噂の100人斬り!?





昔クラスの男子が話していた下世話な会話を思い出して、さらにクラクラした。



『100人斬りができるくらいの男になりてぇ』



『バ〜カ。お前の顔とテクじゃ、無理に決まってんだろ?』






テク……はともかく、顔なら合格ラインを軽く飛び越えてるよね……?





「信じ、らんない……」



「だろ?ビックリだよな?
…………って、なにその軽蔑したような目は。
しかたねぇだろ?ツレの彼女の顔なんて、いちいち覚えてられっかよ……」





最後はすねたようにもぞもぞと話した耀太は、口を尖らせて向こうで遊んでる若いカップルを見つめている。






えっ?ええっ!?






「ツレの…彼女……?」



「そっ、大学の時のな……」





若宮先生が、耀太の友達の彼女………??






頭の中、軽くパニック状態なんですけどっ……!






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