あたしがあぐらをかいてる耀太に右手を差し出すと、なにを思ったのかその手を握って立ち上がる耀太。





「ちょっ……!鍵は……」





「よおし!車までダッシュな」





「えっ!?いいよ!あたしが一人で取ってくるから」






今からダッシュなんて過酷すぎるよ〜!





なのに、あたしが躊躇してる間に耀太はあたしの手を握りなおすと、そのままぐっと引っ張った。
そしてまたもやダダッーと走りだす。






「うぎゃぁぁぁ!!!」





「おっせぇぞ、楓!現役女子高生だろ?」





その時、あたし達が走り出したのに気づいたカンタが、後ろから猛ダッシュで追いぬいて行った。





「おらおら、カンタに抜かれちまったじゃねぇか!」





そんなこと言われても〜〜〜!?!




駐車場はひと際小高い場所にある。
車まで辿り着いた時には、あたしの全身から滝のような汗が流れていた。





ぐ、ぐるじい〜〜!!




耀太にいたっては、アスファルトの上にまたもや大の字になっている。





「ハァハァ俺マジで運動不足だわ……
明日から、家の周り走ろうかな……」




「ワンッ(賛成)!」





絶妙のタイミングでカンタが鳴くから、あたしは息も切れ切れ爆笑してしまった。







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