人の心を読み取るような容赦ない視線が、自分に注がれているのに気づいたのは、




「泣いてたのか……?」




そんな言葉とともに、耀太の指があたしの頬に触れた後だった。






ドキッ−−





このままじゃヤバイ!
あたしの気持ちがバレちゃう!?






「えっ、えっとぉ……」





不自然にさまよう視線を落とした先に視界に入ってきた、愛くるしいカンタの写真。






「そうそう、カンタはどうしてるのかなぁって思ったら感傷的になっちゃって……
ははっ、あたしったら受験勉強でちょっと情緒不安定なのかも……?」






苦しい言い訳を並べつつ、無理矢理笑顔を浮かべた。





そんなあたしを、まだ探るような瞳で見ていた耀太だけど。





「カンタ、か……」





あたしの手元にあるアルバムに気づいたのか、その表情をゆっくり緩めていく。






「そういや、俺もしばらく会ってないな……」






「あたしなんて、もう何年も会ってないよ。
元気にしてるのかな?
カンタに、会いたいな……」





話を合わせるために言った言葉だったのだけど、それもまた本心だった。





カンタに、会いたい。
そうすれば、あの頃の気持ちを取り戻せそうな気がする。




幼馴染みとして、ただ耀太の傍に居るだけで、幸せを感じていたあの頃の気持ちを………






`