それからどうやって家に帰ったのか記憶がなかった。
気づいたら、自分の部屋のベッドに転がって、メールを見ていた。
[もう家出た?
ごめん、今来客中なんだ。後で弁当は取りに行くから、楓はしっかり勉強しとけよ]
帰る途中、耀太から送られてきたメール。
もう遅いよ……
見ちゃったもん。
若宮先生が来てるの。
そう思った時、初めて涙が溢れた。
拭っても拭っても、どんどん枕に染み込んでいく涙。
あたしと耀太の間には、大きな壁が出来てしまった気がして、あたしは声を殺して泣きつづけた。
耀太が担任になんてならなければ、ただの幼馴染みとしてずっと傍に居れたのに………
周りの環境も
2人の立場も
あたしの気持ちも
全部全部
元に戻してしまえればいいのに………
遠いよ、耀太が……
ねぇ、耀太。
明日から、あたしはどんな顔をしてアナタに会えばいいの?
バカだから
あたしにはわかんないよ……
`

