ハァァ…母親、ねぇ……






冷静になって考えてみれば、思い当たる節はいっぱいある。





耀太の就職を心配してみたり。



教師に向いてるのか気になってみたり。



クラスの皆に受け入れられるか気をもんでみたり。



かいがいしく食事のお世話をしてあげたり。






確かに、アメリカに居るおばさんの代わりのように、耀太を気にかけてきた自分。





でも瑞穂に指摘されてすぐは、その言葉を受け入れることができなくて、絶句してしまった。






すると瑞穂は慌てたように付け足した。






『いや、なんていうか、母親じゃなくて……そう、世話焼き女房みたいかも…?
ははは…、あたしバカだから、適当な言葉が見つけらんないよ。
だからあたしが言ったことはそんなに気にしないで……』






ううん、まさに的を得ている表現だと思うよ?瑞穂。





あたしは、耀太に近すぎる。



“妹みたい”より、かなり近い立場にいるんだ、きっと。





それこそ、本物の家族のように。






せっかく好きだって気づいたのに、こんなんじゃ、永遠にあたしは耀太にとって恋愛対象には見られないだろうな……






そう思ったら、ズーンと心が重くなってしまった。








`