「じゃあ、何にしたのよ?」





園子が呆れたように眉をひそめて尋ねると、あっけらかんとした様子で明日香は言った。






「薬品会社のセールスレディ〜♪
これだと色んな病院回れて、日替わりで白衣が見れるでしょう?」





あたしってば天才♪と笑う明日香に、誰もなにも言えなかった。
呆気にとられすぎて。





“趣味は実益を兼ねる”



結局そういうもんかもね。






3人が楽しそうに将来について語り合ってるのを見ながら、あたしはもう一つ気になっていることを聞いてみることにした。






「よ…担任の話、親にした?何か言われた?」





もちろんこれはあの発言のこと。





瑞穂が少し気まずそうに視線を伏せたのを見て悪いなって思ったけど、どうしても聞かずにはいられなかった。





保護者からの批判の声が集まれば、きっと耀太の進退問題に大きく関わることになってしまう。
悪ければ……クビ…?




考えれば考えるほど、自分の中の不安が増していた。






「たいして言われてないよ?『今度の先生は、のんびりしてんのね』ぐらいかな……」





「ウチは、新任なのになかなかカッコイイこと言うじゃないって褒めてたよ」






良かった……
皆が批判してるわけじゃないんだ……






ほっとため息を漏らしたあたしを見て、実は楓も隠れようちゃんファンじゃないの?って2人は笑った。






もちろん、完全否定しておいたけど。






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