「明日香と園子はもうプリント提出した?」






自分の夢がなんとなく見えた途端、不思議なもので、すごく周りが気になりだして、あたしは昼休みを待って2人に尋ねた。






「出した」



「あたしも」





さらりと教えてくれたから、もっと突っ込んで聞くことにした。






「なんて書いたの?」






「あたしは福祉関係の仕事がしたいから、U大の福祉学部って書いたよ。
第2、第3も、違う大学の福祉学部」





しっかり者の園子は、それこそしっかりした口調で教えてくれた。






「あたしはねぇ……」






「わかった!看護学校でしょ!?」





白衣フェチの明日香に、すかさず瑞穂が笑いながら言う。






「ブッブ〜!あたし、看護師にはなりませ〜ん」





あたしも絶対そうだと思ってたから、えっ!?ってなった。




看護師なら、イヤでも毎日白衣が見れるのにって。
しかも、もれなく自分も着用できるのにね。



でも、いくら好きだと言っても、さすがに自分の趣味で職業を選ぶことはしないのかも、と思ったら、逆に安易に想像してしまったことが申し訳ない気持ちになった。





瑞穂もおんなじ気持ちなのか、バツの悪そうな顔をしている。






「だってさ……」





気にした風でもない明日香は、そこでニヤリと笑ってこう続けた。





「看護師だと、毎日決まった人の白衣しか見れないでしょ?そんなのつまんな〜い」






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