とりあえず、目標になるものを決めよう、と耀太が言うから、あたしはまたネットで通えそうな範囲にある大学・短大・専門学校を調べてるんだけど……





「むむむ……、経済学部って具体的に何すんの?」





「経済学部?そうだな……、マクロ経済とか、ミクロ経済?」





「なにそれ?」





「俺は専門外だから上手く説明できねぇけど、簡単に言えば、マクロ経済学は、主に国を主体に分析する経済学で、政策における国民所得とかの……」





「ちょっ!ストップ、ストップ!そんなこと言われても、全っ然、意味わかんないから」





「お前が聞いてきたんだろ?」





「そうだけど………」






ってな具合に、全く目標なんて見えてこない有様で。
そもそも自分のやりたいことすらわかんないんだから、いくら考えてみたところで、それは全く無意味な行動のような気もしないでもない。





「あのさ、プリント配る時に俺が言ったこと、聞いてた?」





マウスを必死にスクロールしてたあたしの手を止めながら、耀太は覗き込むように体を屈めてくる。





途端にふわっと香ってくるあの匂い。




あたしの体が、勝手にピクリと反応してしまって、マジで焦る。





この匂い攻撃は、あたしにとって脅威以外のなにものでもないんですけど!?





ほら、また………





鼓動が早まるのを、止められない……-−−








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