時間を持て余してたから、ネットで瑞穂が愚痴ってた“予備校”のことを調べてみた。





あたしは別に行く気はないんだけどさ。
親だって『行け』とはひと言も言わないし。





ホント、なんとな〜くなんだけど…-−−





な、なんじゃこりゃ!?




その授業カリキュラムとやらを見て、サーッと血の気が引いた気がした。
だって恐ろしいほど壮絶な授業予定なんだもん。
休みなんてほとんどなし。

夏休み?クリスマス?正月?
んなもん、受験生にあるわけねーだろ!って感じ。




いや〜、行く気どころか、その言葉さえ聞きたくなくなったね。
あたし、こんなとこに行くぐらいなら、フリーターでいいやって思っちゃうぐらい。




瑞穂はどうすんだろ?
ってか、みんなはどうすんだろ?
嫌々でも行くのかな……




「あ〜あ……、受験かぁ……
そんなもん、この世からなくなっちゃえばいいのに……」





一人ごちていると、いつの間にか下から耀太と母親の話声が聞こえてきてた。





自分の将来と、耀太の教師生活。





なんていうか、悩みが多くてハゲそうだよ。





大きなため息を落としながら、あたしは階段を静かに降りて行った。







「いや、でも……」





「いいのよ、ようちゃん。気は遣わないでちょうだい」





…………ん?なんだ、なんだ?





なんかよくわかんないけど、キッチンから珍しく2人がもめてる(?)声がしてて、あたしはドアのすき間からおずおずとその様子を覗いた。






まさかこのもめごとの行く末が、あたしに大きく絡んでくるとは思わずに……







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