学校から帰って、今か今かと耀太が来るのを待った。





実はあれ以来、耀太は毎日のようにウチで夕ご飯を食べている。
しかも風呂まで。
『前のように…』って言いながら、こうなると前以上だ。


まあ、父親は晩酌相手が出来て嬉しそうだし、母親は以前にも増して上機嫌なんだから、両親的には万々歳ってとこなんだろうけど……





あたし的には、……ねぇ?
なんだか微妙じゃない?


言っとくけど、微妙ってのはヘンな意味での微妙じゃないから。


なんていうか、毎日担任である耀太と、幼馴染みである耀太を見てると、どっちがどっちだかわかんないっつうか、思わず教室で『耀太!』って呼びそうになったことが何度あることか。



ちなみに、あたし耀太のことは学校でも『先生』とは呼んだことないんだ。
もちろん『ようちゃん』でもない。



『担任』って言ってる。
本人に向かっては、『あの』とか、『ちょっと』とか。




やっぱ、恥ずかしいじゃん?
耀太にしたって、おんなじだと思うんだよね。



ってことで、家では相変わらず『耀太』なんだけど……
こう頻繁に来られると、頭の切り替えが上手い具合に働かないんだわ。
特に昼寝後(いや、授業でしょう?)の帰りのHRの時なんか。





今日も耀太の心配をしてたからか、不意に教室に現れた耀太に、『もうお風呂入ったの?耀太』って言おうとして、慌てて口を塞いだ。




だって、耀太ってば、こないだまで風呂上がりに着てたジャージ着てるし。




気づけば、『もうお風呂』まで言いかけてたあたしには、周りから“コイツ、バカじゃん”って冷た〜い視線が注がれていた。





寝ぼけてついついだよ……とほほ…
(↑結局寝てた人)





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