レオンは、私が落ち着くまでずっと抱きしめていてくれた。 段々落ち着いてきた私は、ポツリ、ポツリと言葉を発していった。 「私の手に、皇家の証……赤い薔薇のアザが……」 レオンに薔薇のアザを見せた。 見るだけでも、怖い。 「昔、このアザが、兄の手にも浮かんだの」 そう、それは昔の話。