――バァァァアン! 部屋のドアを、勢い良く開けたせいか、凄い音が響く。 「水樹? どうしたんじゃ?」 レオンはゆっくり近づいてきて、私の顔を心配そうに覗き込んできた。 「あか……ば、らが……」 私はガタガタと震える体を押さえながら言った。 だけど、声を発したが言葉には程遠かった。 「水樹……?」 「レオン!」 私は、レオンに抱きついた。 ――――赤い薔薇、それは皇家の証……。