「この姿なら本気をだせるじゃろ?」
なんと、レオンは青年の姿になった。
しかもカッコいい。
「わ、私は! レオンが猫でも、さっき、本気を出したの!」
本当に、そうだ。
全てをあの一撃に込めた。
「チッ、わからない奴だな。見ていろ」
レオンは綺麗な顔を歪めた後、私に近寄った。
「え、なっ、なに?」
動揺する私を見て、レオンは口元を緩めて笑った気がした。
――――ドキン
確かに胸が高鳴った。
「お主には何もせんよ」
そういって、レオンは異空間を開いた時のように、私に背を向けた。
「儂は、攻撃する!」
レオンの声がした。
――――――ゴオオオオォォォンンンンン!!
口では表しきれない程の轟音が鳴り響いた。
それと共に輝いた、凄まじい黄色い閃光の光に、私は思わず目をつぶった。
「レ、オン……?」
暫くして、私は瞼を開いた。
そこに見えたのは、さっきと変わらないレオンの背中。
だが、レオンの前にあった筈の、地面が無かった。

