「いいか、お主の攻撃は強かったが、儂に簡単に方向を変えられた。」





レオンを避けるように見えたのは、レオンがわざと反らしたんだ。





――――凄い。





私はレオンを見つめた。





「お前にはこれから、儂と異空間に入って、安定と調整の仕方を練習するぞ」






い、異空間!?





「ちょ、なんで? なんで異空間!?」





「はぁ、そんなことも分からんのか」





「すいませんね」





さっきまで、この猫を凄いって思ったなんて、自分が信じらんない。





「この部屋で練習すると、お前の攻撃は強いから、どんどん破壊してしまう」




あ、今ちょっぴり褒めてくれた?




だって、強いって言ってくれたもん。





私はさりげなく褒められたのが嬉しくてたまらなかった。







だが、






「癒しの魔法が使えないお前が壊したものを、儂が次々と直していったら、儂が疲れてしまう」






やっぱりムカつく。





「だから、異空間にいくのじゃ!」





レオンは前の右足を上げた。




ホンッット、黙ってたら可愛いのに。