+†ヴァンパイアと紅いアザ†+










「嫌いでも、構わないよ……」







私は拳を一層強く握って、レオンをみた。














レオンは、切なそうな表情をしていた。











「構わないなら、なんで泣いてるの?」








レオンは私の目の前で、足をとめた。








「泣いてなんか……ッ!」








泣かない……泣かないよッッ!









だって泣いたら、レオンを困らせちゃうじゃん。









同情で〝好き〟なんて言ってほしくないんだもん。







「泣いてな――――」







「ばか……水樹ッッ」
















ギュッと抱きしめられた。







レオンのいつものフルーツの香りがする。





レオンのいつもの温もりが私を包む。









もう、それだけで視界が滲んできた。










「レオ――――」






「泣くなよ」








レオンの声は、私の心に染み込んでいった。