「水樹には開けられないよ」 レオンは、まだ余裕の笑みを浮かべている。 そして、ゆっくり私に近づいてくる。 「そのドアには魔法がかかってる、魔法で作った鍵を使わないと開けられない」 魔法がかかってる――――? 「水樹、眉間にしわよってる」 「知ってる」 勝手に自分の部屋に知らない鍵を付けられたら、気分は良いものではない。 「眉間にしわよせないで」 「なんでって、ぅわ!」 いきなりレオンの顔が目の前にあった。