しばらく無言でただ見つめあうだけの時間が過ぎた。









またしばらくして何を思ったのか、リュオさんはその白くて細長い綺麗な指で、撫でた。




……私の首筋、を。








──────ツ……






氷みたいに冷たい指の温もりに、思わず息が詰まる。







「……リュ、オさん?」





リュオさんの指は首筋に添えられているのに、彼の目線は私の手の甲に向けられている。




そんな彼にチグハグな違和感を感じたが、深く考えることはまた何故だかできなかった。







「……ライチェルの姫君、か」








……ライチェル…?