段々近づいてくる足音は、私の前で止まった。 「貴方は……?」 綺麗な銀髪が、風でサラサラと揺れる。 普通に口が動いた。 この人に恐怖すら感じるのに。 「リュオ……だ」 その名前を聞いた瞬間。 私はまるでグワリと地面が揺れたのかと錯覚するほどの、全身の血の“騒めき”を感じた。 胸が高鳴った訳ではない。 ただ、騒いだ。 ナンダコレ? 私の“血”が、リュオさんに反応してる? ……まぁ、そんなわけ、ないよね。