あたしは1年生から2年になるまで、神山君と付き合っていた。

中学時代は地味な女の子で、男の子とはほとんど話したことが無く、そのまま第一志望の女子校に合格。

まったく男がらみの無い高校生活を終え、大学に入学した。今でも、男の人と会ったり話したりする時は緊張してしまう。


そんなどんくさいあたしに優しく接してくれたのが、神山君だった。


初恋だった。

『付き合ってほしい』

そう言われた時、何が何だか分からなくて気が付いたら涙が出ていた。


全部捧げた。
あたしが出来ることすべてやった。
つもりだった。


でも、結局だめだった。


原因は、神山君の浮気。


付き合い始めてから一年くらい経った頃だった。
あたしは神山君がやっていたフットサルのロッカールームに向かっていた。

会う予定はなかったけど、他の人に聞いて一緒に帰ろうと思ったのだ。

「神山く…ん…」

意気揚々と扉を開けると、神山君と知らない女の人のキスシーン。

しかも女の人は上半身下着だけ。



そのまま一目散に走りだした。