「ディナークルーズは初めてですか?」
「もちろんですよ!船すら乗ったのも多分初めてです」
「そうなんですか」
「あんまり、海に行ったこともないんです。あたし実家が山なので」
「何処ですか?」
「山梨です」
「そうなんだ、俺は逆に山にはあんま行ったこと無いんだよね」
「いいところですよ!自然がいっぱいだし、山梨は果物がおいしいんです。桃とかブドウとか。あ、あとほうとうもおいしいです」
「ほうとう?」
「はい、太いうどんみたいなものなんですけど。味噌とたっぷりの具で煮るんです。とってもおいしいんですよ」
「へー。作れますか?」
「まぁ、材料があれば」
「じゃぁ今度作って俺に食べさせて下さいね」
「え…あ、はい」
こんなおいしいものばかり食べている王子様の口に合うのかという疑問も湧いたけど、会話にかき消されてしまった。
しかもこの時あたしは
こんな簡単な口約束は正直信用してなくて、
まさか西園寺は本気なはずないって
どこかで決めつけてた。
まだ
同じ世界の人として
見れてなかったの。
「もちろんですよ!船すら乗ったのも多分初めてです」
「そうなんですか」
「あんまり、海に行ったこともないんです。あたし実家が山なので」
「何処ですか?」
「山梨です」
「そうなんだ、俺は逆に山にはあんま行ったこと無いんだよね」
「いいところですよ!自然がいっぱいだし、山梨は果物がおいしいんです。桃とかブドウとか。あ、あとほうとうもおいしいです」
「ほうとう?」
「はい、太いうどんみたいなものなんですけど。味噌とたっぷりの具で煮るんです。とってもおいしいんですよ」
「へー。作れますか?」
「まぁ、材料があれば」
「じゃぁ今度作って俺に食べさせて下さいね」
「え…あ、はい」
こんなおいしいものばかり食べている王子様の口に合うのかという疑問も湧いたけど、会話にかき消されてしまった。
しかもこの時あたしは
こんな簡単な口約束は正直信用してなくて、
まさか西園寺は本気なはずないって
どこかで決めつけてた。
まだ
同じ世界の人として
見れてなかったの。