「行こう」
彼も立ち上がった。
気付くと、さっきまで何人もいたはずの黒づくめ集団は一人もついてきておらず、甲板にいるのはあたしと西園寺だけだった。
――ガタンッ
いきなり船が揺れる。
そして次の瞬間、船は桟橋から離れ始めた。
「え!?出港!?」
「船酔いとかする?」
「あ、いえ、大丈夫だと思いますけど…その、あたしたちだけですか?お客さん」
「ええ、うちの自家用なので」
「じっ、自家用」
またも目を丸くしているあたしを気にせず、階段を降りていく。
と、そこには白いテーブルクロスの弾かれたテーブル。
その上にはおいしそうな料理が用意されていた。
西園寺は椅子をひいて「どうぞ」と言う。
「…はい」
言われるがままそこに座り、あたしの前に彼も座った。
「食べますか」
彼も立ち上がった。
気付くと、さっきまで何人もいたはずの黒づくめ集団は一人もついてきておらず、甲板にいるのはあたしと西園寺だけだった。
――ガタンッ
いきなり船が揺れる。
そして次の瞬間、船は桟橋から離れ始めた。
「え!?出港!?」
「船酔いとかする?」
「あ、いえ、大丈夫だと思いますけど…その、あたしたちだけですか?お客さん」
「ええ、うちの自家用なので」
「じっ、自家用」
またも目を丸くしているあたしを気にせず、階段を降りていく。
と、そこには白いテーブルクロスの弾かれたテーブル。
その上にはおいしそうな料理が用意されていた。
西園寺は椅子をひいて「どうぞ」と言う。
「…はい」
言われるがままそこに座り、あたしの前に彼も座った。
「食べますか」
