彼に手をひかれ、波打ち際を裸足で歩いた。


「あの、蒼さん」

「何?」

「あの、その…」

「?」

「…いいんですか?新谷さんはお昼ご飯までには帰って来いって、、」

「だって」

前を向いていた彼は、あたしを振り返った。

「だって、もうちょっと二人っきりでいたいから」

「ぅ……」


いつだって彼はこんな風にさらっと、きざな言葉を言ってのけてしまうのだ。


「じゃぁ…もう少し」

「ん」