持ち物も着るものも揃え、メイクを施す。

髪はサイドを三つ編みで編みこみ、後ろで一つにまとめてお団子にした。

小さいブルーダイヤのピアスとそれとおそろいのネックレスをして、薄手の黒いカーディガンを羽織る。

「んしっ!」

準備はばっちし。

時計の針は6を指していた。

(そろそろ行こうかな)

鍵を持って玄関へ向かったその時。

「あ…!?」

肝心なことに気がついた。

(靴が無い!!!!)

普段からあまり好きじゃないからヒールはほとんど持っていないあたし。

しょうがなく真衣の古い白のピンヒールを借りることにした。

(こんなの履いたら歩けなくなっちゃいそう…)

そう思いながらも、仕方がない。

時間に追われて駅へ足を速めた。