次の日――

一睡もできないまま、朝が来てしまった。

龍は昨晩泊っていったようで、リビングには二人が食パンをかじっていた。

「おはよ~」

「うん、なんか飲む?コーヒーでいい?」

「うん」

真衣がついでくれたブラックをずずずっとすする。

「はぁ…今何時」

「9時」

「あと11時間…」

「「くっら!!」」

少し経って、帰る龍と一緒に真衣はバイトへ行ってしまった。

「行ってくるね、ちゃんと楽しんでくんだよ!」

「いってらっさ~い」

情けない口調で返す。

――バタンッ

一人になった部屋のソファにガッと座り込む。

(あと6時間…)

テレビの中では、陽気に笑いながら料理するおばさんたちが映っていた。

無意識にチャンネルを変えた時、半年くらい前のドラマが再放送されていた。

それは熱血教師と不良男子高校生の学園もので、落書きだらけの教室にいるたくさんのヤンキーたちが写っている。


「!!!!!」

そこに見つけた見覚えのある顔。

赤メッシュの髪のAOIだ。