その時ふと、昨日のことが頭に浮かんだ。
その時になるまで一瞬も彼のことを思い出さなかった自分を、馬鹿じゃぁないかと思った。
「あ、あのさ、昨日なんだけどね」
あたしはマグカップをテーブルに置き、部屋から名刺を持ってくる。
「見てこれ」
西園寺 蒼の名刺を手渡した。
「え…なんで持ってんの!?」
「実はさ…」
あたしは昨日の一部始終を話した。
「何メートルもある真っ白のベンツ乗っちゃってさ、あたしも酔ってたから何が何だかよく分かってなかったんだけどね」
「まじ…起こしてよ!」
「起こしても起きなかったよ」
「あー一目見たかったーAOI!」
(…AOI?)
「ああ、それ“そう”って読むんだってよ」
「ん?へー本名はそうって言うんだ」
(…本名?)
「…本名はって、何?」
「え、AOIだよ。知らないの!?」
「あおい???」
その時になるまで一瞬も彼のことを思い出さなかった自分を、馬鹿じゃぁないかと思った。
「あ、あのさ、昨日なんだけどね」
あたしはマグカップをテーブルに置き、部屋から名刺を持ってくる。
「見てこれ」
西園寺 蒼の名刺を手渡した。
「え…なんで持ってんの!?」
「実はさ…」
あたしは昨日の一部始終を話した。
「何メートルもある真っ白のベンツ乗っちゃってさ、あたしも酔ってたから何が何だかよく分かってなかったんだけどね」
「まじ…起こしてよ!」
「起こしても起きなかったよ」
「あー一目見たかったーAOI!」
(…AOI?)
「ああ、それ“そう”って読むんだってよ」
「ん?へー本名はそうって言うんだ」
(…本名?)
「…本名はって、何?」
「え、AOIだよ。知らないの!?」
「あおい???」