「透析とかやってるの?」
とちょっとデリケートな質問をする。

自分自身のことも話した早苗は『隠しッ子なしね。』って顔をする。

「いや、透析まではしてないかな。今はインスリンと、食事療法。これがけっこうキツイんだ。お酒だって飲みたいし、辛い物とか食べたいんだけど、味付けも薄いし。」
と苦笑いする。

お互い病気を抱えていると、健常者と違うってことで変な共感を抱く。

人間って弱い生き物だからね。

やっぱり仲間は欲しいんだよねって思う。

早苗は久しぶりに、大笑いし、喜び、沢山話をした。

カフェテリアを出る頃にはすっかり夕暮れで、辺りは虫の鳴き声が聞こえていた。

空には一番星が輝き、その一方で三ヶ月が辺り優しく光っていた。