「あれから15年か…。」

少し瞼を閉じた後、夜空を見上げる。

「三つ星、まだ見えないね。」

夏の夜空でも、明け方にもなると地平線近くに見えてくるのだが、都心からは少し離れているはずのこの場所も、周りにビルが多いからか、それとも都会の空気がそうさせるのか、オリオン座はまだ見えなかった。

カラカラカラと窓を開け閉めし、ベッドに座る。