☆三つ星☆

椅子に座るなりに、

「今日は優しい顔をしてるねぇ。なんかいいことあったの?」
と聞かれる。

別に特に何かあったわけではなかったのだけれど、いや強いて言えば一貴と少し話したくらいだろうか。

「特に何もないですよ?先生、私はいつだって、優しい顔してます♪」
と頬をぷうっと膨らませる。

そっか。そうだったねと佐藤は苦笑いをしながら、

調子はどうだい?と言いながら聴診器を耳につける。

いつものように上着をたくし上げる。

この瞬間だけはどうしてもドキドキしてしまう。

彼と肌を重ねる時、いつも目を閉じているため、自分の体に触れる佐藤を見ることに早苗は慣れていないのだ。