ハッと目を覚ます。

「暑さ寒さも彼岸まで」とはよく言ったもので最近は朝晩少しずつ寒くなり風のない都会でも少しずつ秋の訪れを感じさせていた。

またあの夢を見た。

小さな頃毎日のように母と話したお星様の話の夢。

「四時半…か。」

時計を見ながら呟く。

椅子にかけておいたカーディガンを羽織り、部屋のベランダに出る。

起きるのにはまだ少し早い時間だが、この夢を見た日には決まって寝られないのだ。

ふうっとため息を一つつく。