後ろから抱きしめられることに意味があるのだ。

リモコンを使って電灯を消す。

テレビの光りで照らされる早苗の顔は若干紅かった。

こうちゃんは、まるで壊れ物を扱うかのように、早苗にそっと口づけをする。

早苗は一瞬目を見開いたが、すぐに瞼を閉じ、それを受け入れる。

こうちゃんが降らせる口づけの嵐は、早苗の気持ちを切なく熱くさせた。

この上なく幸せを感じていた。

今、こうちゃんが見ているのは私なのだと。

私だけなのだと思った。