元々、女の子は苦手なんだ。

どうしたらいいか、困ってしまう。



でも。

どうしてだ?


織原小豆。

あの女の子には、なんの気を使う事もなく、自然に振る舞えたんだ。






入学式で生徒会長の言葉が終わり、幕の方へ向かおうとした時、あずきが見えた。

可愛い子だなっていうのが第一印象。


緊張してたのが、また可愛くて。

いつもだったら、“頑張ってね”って声をかけるだけなのに、助けてあげたいって思ってしまった。


その時は、まだ、織原財閥の令嬢とは知らず、司会が名前を言った時に初めて知った。


さらに、やはり、財閥の娘。

あんなに緊張していたのに、話をする声や容姿には威厳すら感じられた。



その姿は可愛いというより、美しい…の方が相応しかった。