セレブリティー・ラヴ

ましゅまろさんの登場でざわめいた空気もおさまり、辺りは再び社交の場となった。


「小豆様こないなー??」

「きっと嫌になってしまわれたのじゃないかしら??」


そんな事を晃と沙羅が話していると、周りがいきなり静まりかえった。

そして、静寂の中にコツコツとヒールを鳴らす音だけが聞こえる。


階段から降りて来るのは、普段のあまり長くない髪にエクステをつけ軽く巻いて、普段していないメイクをしている…

…──あずき。


女王のような威厳を持って、降りてくる姿は「可愛い」ではなく「美しい」。



「皆様、ごきげんよう。
遅くなりまして申し訳げざいませんわ。」

いつものソプラノではなくアルトの声。
違う口調。


──…これが…──

…… あ ず き ?