光の姫は何も知らない

「そんな! 僕のカマイタチによって作られた傷は中々治らないのに」


「そんな危ない力を起こす目的に使うなって!」


苦笑いをしながらつっこんでおくと碧山君はニッコリと微笑みながら、


「それは心配に及ばないです。風は雷との相性が最悪ですのでライトさんには効果ないんですよ」



確かに黄村君が碧山君が起こした風を帳消しにしたのはわかるけど…


笑顔で言うのはどうかと…


「それはいいとして、白原さんは雷の能力じゃないのに傷が治るなんてありえないです」


そんなこと言われても治っちゃったんだからいいんじゃないかな。


慌てる碧山君に対して冷静な態度のあたし。



その時、クスッて笑う声がした。


「フウタは考えすぎ。光の者は傷を治す能力があるのかもしれない」


静かにあたし達を見つめていた黄村君がそう呟いていた。



「あっ。だから光の力を持つ者は貴重とされるのか」


なんて碧山君は勝手に納得していた。


勝手に納得してないであたしにもその話をわかりやすく話してほしいのですが…