碧山君が息を吹き込んだその瞬間。
周りが風に包まれる。
えっ? これはなんなわけ?
よくわからないままあたしはわずかに動いてしまう。
「白原さん! 今は動いちゃダメです」
そんな碧山君の声が聞こえたけどそれはもう手遅れであたしは動いてしまっていた。
動いてしまった瞬間。
シュンって音を立てながらあたしの右手に傷がつく。
そして、その傷から血が流れだしていた。
その様子を見つめるしかなくて固まっていると風が止んだ。
「フウタ…あまり能力使えない人に、こんなの使ちゃダメだ」
黄村君は静かな声でそう言った。
「それはライトさんが起きないからですよ。
それにしても白原さん! 大丈夫ですか? すみません。いつものようにライトさんを起こしたものだからあなたの手を傷つけてしまい…」
碧山君は申し訳なさそうな顔をしながらあたしに近づくとあたしの右手を気遣うように優しく手を触れた。
「いや。大丈夫だから。あたし、いつも怪我の治りが早いから心配しなくても大丈夫だよ」
それに今のこの状態が恥ずかしい。
碧山君はバッとあたしの方を見ると早口で話し出す。
「そんな…治りが早くても今回は別ですよ。能力によって出来た傷は…
って、あれ? 傷が…ない」
いつの間にか治ってしまっていた傷を見て唖然とした顔をする。
「ね? 治りが早いでしょ?」
これ以上碧山君を心配させないようにニッコリと微笑んだ。
周りが風に包まれる。
えっ? これはなんなわけ?
よくわからないままあたしはわずかに動いてしまう。
「白原さん! 今は動いちゃダメです」
そんな碧山君の声が聞こえたけどそれはもう手遅れであたしは動いてしまっていた。
動いてしまった瞬間。
シュンって音を立てながらあたしの右手に傷がつく。
そして、その傷から血が流れだしていた。
その様子を見つめるしかなくて固まっていると風が止んだ。
「フウタ…あまり能力使えない人に、こんなの使ちゃダメだ」
黄村君は静かな声でそう言った。
「それはライトさんが起きないからですよ。
それにしても白原さん! 大丈夫ですか? すみません。いつものようにライトさんを起こしたものだからあなたの手を傷つけてしまい…」
碧山君は申し訳なさそうな顔をしながらあたしに近づくとあたしの右手を気遣うように優しく手を触れた。
「いや。大丈夫だから。あたし、いつも怪我の治りが早いから心配しなくても大丈夫だよ」
それに今のこの状態が恥ずかしい。
碧山君はバッとあたしの方を見ると早口で話し出す。
「そんな…治りが早くても今回は別ですよ。能力によって出来た傷は…
って、あれ? 傷が…ない」
いつの間にか治ってしまっていた傷を見て唖然とした顔をする。
「ね? 治りが早いでしょ?」
これ以上碧山君を心配させないようにニッコリと微笑んだ。

