光の姫は何も知らない

黄村君にガッチリと捕まっていて全く動けないあたしは碧山君の顔をジッと見つめる。


(まぁ目線が碧山君の方にしか向かないからしょうがないのだけど)



「そういえば白原さんはそのまま動かないで下さいね。変に動くと危ないですから」


碧山君は爽やかな笑顔を浮かべながら注意をする。


いや。そんな爽やかに危ない言われましても。


そう思いながらもなるべく動かないようにする。


それに危ない言われて動くような人いないからね。



碧山君は静かに深呼吸をして集中する。


碧山君が集中するとなんとなく緊迫した空気が流れる。


なんかこの空気は緊張するなぁ。




静かに碧山君を見つめるとゆっくりと碧山君が動き出して黄村君の耳に向かってフッと息を吹き込むのだった。