光の姫は何も知らない

そこにはあたしのベッドに横になる黄村君がいた。


なんで黄村君がここにいるわけ?


というかココってあたしの部屋であってるよね?


うん。だってさっきまで碧山君と一緒だったし碧山君はあたしがこの部屋に入ってるところを見てるはず。


それなのに違う部屋ってそれはない。


一人で悶々と考えていると急に腕を引っ張られた。


「うわっ」


座っているために踏ん張る力なんてなくてそのまま引っ張られた方へと傾く。


そしてあたしは黄村君の腕の中にいた。


なんであたしが黄村君の腕の中にいないといけないの?


「ちょっと放して」


精一杯自分の力で放そうとするんだけど黄村君がガッチリとくっついているために中々抜け出せない。


あのぅ…これはどうすればいいんですか?


とりあえずここは叫んだ方がよさ気かな?



そう思いながらもあたしは隣にも聞こえるような大きな声で叫んだ。


「うぎゃー!」


ってね。


我ながら汚い言葉だこと。