光の姫は何も知らない

そんなことよりも…


「碧山君!」


「はい? どうかしました?」


碧山君はまったく気にしてないような顔をする。


これって無意識にやってるのなら罪深いやつだよね?
普通会って間もないしかも異性の手を繋ぎますか?



あたしだったら絶対できない。


それとも碧山君ってまだ中学生とか? それならまだわかるかもしれない。


あたしに対しても敬語だしね。



そう自分で納得させた後に顔を上げるとそこには近い距離で碧山君の顔があった。


「うわっ!」


驚きのあまり声を出すと碧山君は不機嫌そうな顔で『人の顔を見て驚くなんて失礼ですよ』なんてて言うから少し安心してしまう。


そうじゃなくて!


「ごめんね。そう言えば碧山君っていくつなの?」



あたしの質問にさらに不機嫌そうな顔をしながらトレイを取る。


えっと…またやっちゃった?


そう思いながら碧山君と同じようにトレイを取った。