直先輩の言っている事は決して間違っていない。


…だけど。
口だけでもいいから連れてってくれるって言って欲しかった。

「……………。」


「はぁ…。おい。アホ女紗耶香。お前また変に勘ぐってんのやろ？」



ドキッ。


「俺は嘘つきたくない。いつまでもお前の前では素直な俺でおりたいし、お前も俺の前では素直でおってほしい。」

「……………。」

「俺も…まだそうやけど、紗耶香、お前はまだ若い。今は俺とくっついたばっかでアツアツかもしれへんけどこのアツアツが冷めた時お前に俺なんかよりもっともっといい野郎が現れるかもしれへん。その時はその時でお前が選ぶしかないけどな…だからっちゅー訳やないけど、俺は言葉で縛りつけたくないんや。」


「直先輩…。やっぱちょっと大人だね！感心しちゃったぁ。エヘヘ」