目の前の男性は一瞬、訝しげな表情を見せたが、頷いて了承の意を示した。


店員やお客の冷めたような、楽しむような視線を感じたが無視だ。


「…で、どうやって決着をつけようか?」


不意に降ってきた声に顔を上げる。


そこには相も変わらず敵である男性がいるのだが、ある事に気付く。


「格好いい…」


知らずにそう呟いてしまうほどの美貌を持った男性だった。

男性には私の呟きが届かなかったようで、小首をかしげた。


が、その姿さえ様になる。


そこら辺の俳優やモデルなど、目じゃないくらいに格好良かった。


どちらかと言ったら、美しい、と言った方が正しいのかも知れない。


とにかく、男性の空間だけ輝いていたのだ。


こんな人と戦うのかと思うと胸が痛くなる。