運良く、かどうかは分からないが、求人男性と再開した後私が再び彼らを接客することはなかった。
今日は日曜日でバイトのシフトが三時までだったので、帰りに服でも見て帰ろうと考えて、虚しくなって項垂れる。
どうせ買えないのに、見るだけ見るなんて哀れもいいとこだ。
せっかく今年大学に入学したのに、遊ぶことも出来ないなど悲しい。
いや、悲しすぎて涙も出ない。
やっぱり服を見るのは止めて、そのまま家に帰ろうと固く決心した。
「お先に失礼しまーす」
まだシフトが残っている人達に挨拶してから、店の裏口に回ってノブを捻った。
先日、面接を受けたバイト先はこのファミレスで此処も運良く合格したのである。
働き初めて、まだ一週間も経っていないが、ここのバイトは長続きしそうだと、一部願いを込めた確信を抱いている私だった。

