「それで。バイトどうするの?」

「うーん。今考えてるんだけどね、駅前のファミレスなんてどうかな?」


もう、忘れてやる!
と自らに言い聞かせて、改めてバイトをどうするか考える。


そういえば、駅前のファミレスに確か求人広告が出てたなぁと曖昧ながらに思い出す。


「確かにファミレスは良いかもね」

「本当!そう思う?」

「はいはい。思うから」


景に襲いかからんばかりの勢いで返答すると、軽く流された。


だが私は、景が良いと言ってくれたから平気だろう、という安易な考えで今度ファミレスの面接に行くことを決めた。


何が平気なのかはさて置くとして、早速電話をかけ日時を取り付ける。

電話には女の人が出て、聞き取りやすい綺麗な声で応答してくれた。

そのあまりにも澄んだ声に聴き入っていると、いつの間にやら面接の日程が決まっていて、焦る。

危うく聞き逃しそうになったが、何とか聞き取り女の人にお礼を言って電話を切った。


面接は明後日だ。