大輝君・・・・。
ほのかの目から、涙が溢れた。
沈黙の後、大輝が口を開いた。
「・・偉そうに、人の家庭事情に入り込んですいません」
「・・・ただ・・」
その時、大輝の顔は寂しそうに笑っていた。
「早く、気付いてほしかった。
美吉の想いに。
僕だって、前は同じような家庭でしたから・・」
最後の言葉は、とても小さな声だった。
「夜までいてすみませんでした。
たぶん、美吉の熱は下がってます。
・・・ちゃんと、彼女の気持ちを聞いて下さい。」
「失礼します」と告げて、大輝は部屋を出た。
その後を、
「家の前まで・・っ、見送ってくる!」
ほのかが慌てて追いかけた。
そんな大輝達を、2人は見つめていた。

