僕と彼女のウラ事情




「━・・やめてください」



2人の前に立って、大輝は強い声と瞳で言った。




「・・なっ・・・」


「君は・・!!」



驚く2人に、大輝は続ける。




「・・ほのか・、美吉の前でケンカするのは、止めてください」




何か言おうと口を開く2人より早く。




「美吉は、あなた達のことを家族として、大好きだと思う。

 でもそんな2人が目の前で言い争ったら、どうですか?

 ずっと、小さな時からそんな言葉を聞かされ続ける彼女の気持ちは、どうなるんです か・・・!!」



2人は、ぐっと押し黙った。






「子供は、大人が思ってるほど馬鹿じゃない。
 どれだけ小さな子でも、人の想いくらいわかるんですよ。





 ・・ほのかは、ずっと耐えてるんだ。



 理由のわからない両親のケンカに。

 わからないからこそ、自分に原因があるんじゃないかと。



 自分の存在に、あなた達の、言葉に」