「・・眠るまで、手、つないでてほしいの」
その笑顔に、僕はドキッとした。
「・・うん、いいよ」
そう答えれば、彼女はまた。
ふわりと笑う。
「やったぁ。・・いい夢見れそう」
つられて僕も微笑む。
「だと良いな。・・・おやすみ」
「うん・・おやすみ・・」
美吉はすぐに、
安らかな寝息をたて始めた。
外で、セミの鳴く声が聴こえる。
・・学校は今、何時間目かな・・?
シンと静かな美吉の部屋で。
少し熱っぽい彼女の手の感触と、
だんだん効いてきた冷房の風。
・・・あ、ヤバい。
大輝はくあ・・・とあくびをした。
そして、ほのかの寝顔。
最近寝不足な僕を眠らせるには、
それだけで十分だった。

