「1人にしちゃやだ・・」



ぎゅうっと僕の制服を握る手は、


小さく震えていて。



昔の自分とひどく重なって見えた。





「・・・大丈夫だから」






ベッドの横に座り、美吉の頭をなでた。





「水とか、薬とってくるだけ。

 すぐ戻ってくるから。ね?」





微笑む大輝に、ほのかも小さく笑った。



「うん・・」






「あ、薬とかどこある?とってくるから」





「ぇっと・・台所の、右端の棚の中・・」





「わかった。美吉は熱測ってて」




部屋にあった体温計を渡して部屋を出る。




・・なるべく、早く戻ろう。